毎年小学校の実習等で自分たちで育てた野菜を食べて食中毒を起こすことがあります。先生たちに野菜の知識がないのか、知識があっても一つ一つ確認することが難しくたまたま悪いものが混入してしまったのだと思うのですけどね。最終的に先生方が確認しないとこの手の食中毒はなくならないですね。
今年もこんなニュースがありました。
「長野県千曲市の小学校でも授業中に食べたジャガイモによる食中毒が発生」(2022年7月21日)
ジャガイモは学校で栽培したもので、21日、教職員が皮付きのまま茹で、児童と教職員あわせて98人が食べていました。このうち教職員2人を含む45人に吐き気や腹痛、嘔吐などの症状があったということです。症状があった人のうち11人は医療機関を受診しましたが、全員入院はせず、快方に向かっているということです。
長野放送
食中毒の原因はじゃがいもに含まれているソラニン
今回の小学校のジャガイモの食中毒の原因は保健所によるとじゃがいもに含まれているソラニンによるものと推定したそうです。
調理したジャガイモは、芽のないものを選別していましたが、一部に未熟なものが含まれていたということです。
長野放送
症状やジャガイモを皮付きのまま食べていること、食べたジャガイモの中に未熟なものが含まれていたことから、保健所はジャガイモに含まれているソラニンによるものと推定しました。
小さいじゃがいもにも食中毒が発生することがあまり知られていない
じゃがいもの芽や日光に当てるとダメというのは知ってると思うけど、小さい未成熟のジャガイモでも食中毒になることが意外と知られていません。
「じゃがいも一口サイズで小さくてかわいらしいレンチンして食べちゃえ」みたいな人が多いと思います。
食中毒の原因となるソラニンは、じゃがいもの発芽部分や日光に当たって緑色に変色した皮の部分に含まれる。また未成熟の小さなじゃがいもはアルカロイド含有量が多いと言われるので注意が必要です。
じゃがいもには熟しても小さな品種もあるので、大きさだけで未熟かを判断できないけど、同じ品種で明らかに小さいというのは食べないようにすることです。
追記
芽がなく、皮にも緑色になった部分がなく、かつ、適当な大きさまで成熟したじゃがいもでも、微量ですがソラニンやチャコニンを含んでいる。皮をむくことでソラニンやチャコニンをとる量を減らせるので、皮をむきましょう。
じゃがいもを保存する時の注意点
- じゃがいもに光を当てない。
- 収穫、保存時にじゃがいもに傷をつけない。
じゃがいもの保管場所は涼しくて通気性が良く、真っ暗な場所で保存することと、傷をつけないことです。
じゃがいもを調理して食べる時の注意点


- 芽とその周辺や緑色の部分は除く。
- 毒素の濃度をより下げたい時はしっかり皮をむく。
- 苦みやえぐみのあるじゃがいもは食べない。
じゃがいも中の天然毒素は加熱調理しても大きく減らないので、芽や皮をきちんと取り除くことで確実に毒素の量を減らすことができるということなので、丁寧に取り除きましょうね。
品種によっては皮が緑色に変わったのがわかりづらいものがあるので、切った時に内側が緑色だった場合は注意です。

じゃがいもには皮が赤色や紫色をした品種があり、光が当たっても色の変化がわかりにくいものがあるので注意です。
じゃがいもに含まれる毒素は?
「糖」と「アルカロイド」と呼ばれる物質がつながってできた「グリコアルカロイド」という物質です。グリコアルカロイドにはさまざまな種類があり、主にナス科の植物に含まれている。
じゃがいもに含まれるグリコアルカロイドは、主にソラニンやチャコニンと呼ばれる物質です。
まとめ
食中毒を発生させないためには、じゃがいもは光に当てず暗いところで保管する。
芽が出たもの、緑色になったもの、未成熟なじゃがいもは食べないことが一番です。
食べる時は次の点を気をつける。
調理の際に、じゃがいもに芽があればそのまわりの部分も含めて取り除く。
緑色の部分があれば、緑色の部分がなくなるまで皮をむき、そのまわりもしっかり皮をむくこと。
じゃがいもの美味しい季節ですので食べる機会も多いと思いますがしっかり注意して美味しく食べましょうね。
※詳しくは農林水産省のHP「じゃがいもに含まれる天然毒素「ソラニン」や「チャコニン」に関するQ&A」をご覧ください。
※個人的感想です。
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